為替相場について考察すると、この半年で105円程度までドル安円高が進むと考えています。
ドル円相場は日々、動いていますが、大きくは全世界の動向で動きます。
全世界の動向で何か不安材料、例えば、どこかで争いが大きくなる(例えばアメリカと中国の貿易摩擦、アメリカとイランの関係)危機が大きくなる、世界レベルでの自然災害などがあれば、比較的安全な円が買われ、ドルが売られて円高になります。
一方、このような世界的な不安材料が解決の方向に向かうと再びドルが買われ、円安になります。
またアメリカそのものの経済指標、景気動向、失業率、金利政策の発表なども為替に直結します。
すなわち、経済指標、失業率、景気動向が良い方向になればドルか買われてドル高(円安)になります。
またアメリカの金利が上がればドルが買われてドル高(円安)になります。
それでは過去数年内で最も大きな経済危機であった2008年のリーマンショックで為替はどう動いたでしょうか。
リーマンショック前、2007年の為替は120円台でした、その後リーマンショックを経て為替は87円まで急速に円高が進みました。
リーマンショックは全世界で何か不安材料が高まると円高になる典型のパターンでした。
今後のドル円の値動きは円高傾向にすすむ!と思う!半年以内に105円程度まで進むか
今後6ヶ月程度のドル円の為替レートの見通しを述べると、ドル安円高が進行すると想定します。
具体的な理由は、アメリカが政策金利を引き下げる確率が高いことが挙げられます。
FRBのパウエル議長は、先月の6月、アメリカ国内で講演し世界経済の先行きに懸念を表明しました。
また「多くのFOMC参加者は、緩和的な政策の論拠が高まっていると判断している」と明言しました。
パウエル氏は10日の下院金融サービス委員会で、半期ごとの議会証言に臨んだ。冒頭証言では「貿易摩擦や世界景気の減速で、米景気の不透明感が高まっている」と指摘。利下げについても「米連邦公開市場委員会(FOMC)の参加者の多くが、その必要性が高まっていると判断している」と語り、金融緩和への転換を強く示唆した。
足元の国内景気にも「家計支出は回復しているが、企業投資は貿易摩擦などで顕著に減速している」と強い懸念を表明した。
FRBは次回のFOMCを30~31日に開くが、金利先物市場ではすでに利下げを100%の確率で織り込んでいる。パウエル氏の下院委での冒頭証言は、市場の緩和観測を追認する内容だ。
引用:日本経済新聞
このため、年内のFOMCにおいてアメリカが政策金利を引き下げることは確実な情勢となっています。
アメリカが金利を引き下げると、日本とアメリカの金利差が縮まるため、為替レートはドル安円高に向かう確率が高いと考えられます。
7月下旬時点で、ドル円の為替レートは1ドル108円台となっていますが、今年中に1ドル105円台まで円高が進行する確率が高いと想定できます。
お盆休みは特に為替が一気に動くのでトレードに気をつける
ドル円の為替相場はここ1ヶ月程107円~109円付近で動いています。
週足や月足チャートを見てもあまり大きな上昇や下落がない状態ですが、夏休み、特にお盆休み中の為替相場は注意が必要と毎年言われています。
夏休みに入っている海外も多く、サプライズがあった時やファンド会社が仕掛けた時には大きく値が動く可能性があります。
過去にもこのような事がありました。
お盆休み中、日本市場が開いていない時にサブプライムローン問題でドル円が大きく下落してしまい、多くのトレーダーがロスカットされてしまったのです。
ですから、閑散としている夏休み中は取引を控える、また、ポジションを持ったら損切り注文を入れて為替相場と向き合うのがいいでしょう。