為替相場を、全体の俯瞰からはじめ
・今年の動き
・この夏の動き
・全体→来月
と、為替の値動きを予想してみることにします。
それでは為替相場についての考察をします。
リーマンショック以降は為替のボラが減少
リーマンショック以降、為替相場のボラティリティーは低下の一途を辿り比較的安定した動きを見せていたが、2019年後半からは再度の金融危機が訪れる可能性が高くなりつつありますね。
その理由としては米中の貿易戦争、英国のブレグジット問題の難航、ドイツ銀行の経営不振、EU圏の長期的な景気後退懸念などが挙げられます。
こうした問題のそもそもの原因は、主に先進主要国を中心とした景気の後退にあります。
各国の対策は貿易収支の改善や金融緩和などの実施となっているが、これは実質的に問題の押し付け合いですね。
現に為替相場では米国の日本やEUに対するドル高牽制が行われており、米国はこの先のFOMCで利下げを実施する予定だが、これに対してEUも利下げで応戦する構えを見せている。
こうした中でも特に注視したいのが英国のブレグジットとドイツ銀行の経営状態。
英国が合意なき離脱を実行した場合やドイツ銀行の破綻などが現実のものとなれば、為替相場は猛烈なドル高・円高になることが予想されます。
勿論これは最悪の状況になった場合の話ではあるが、少なくとも現在のトランプによる強硬な経済政策が継続されれば、円高・ユーロ安の流れを止めるのは難しいと言えます。
2019年の後半の値動きは円高傾向
2019年7月にアメリカは利下げをすると示唆していることから、この先為替相場はドル安傾向になっていくと考えられます。
もちろん、その為替相場の影響はドル円に出てきて、徐々にドル安になってきて相対的な円高になっていくでしょう。
現在も日銀が為替介入を行なっているため、前回のような過度な円高は起こらないと考えられますが、1ドル100円程度の下落は考えられます。
ですから、よほどの強力な介入がない限りは、ある程度のドル円の円高傾向は避けられないかなと。
また、ドル安によって恩恵を受ける通貨もります。
それは、トルコリラや南アフリカランドなどの新興国通貨です。
今まではドルに資金が流れていましたが、利下げを行うドルに対しての旨みが減るので、投資家たちはより利益が出る資源国通貨に投資先をシフトさせていくと考えられ。
そのため、対円でもトルコリラや南アフリカランドなど通貨価値が上昇していく可能性が高い。
2019年の夏も、例年通り円高になると予想
為替相場で夏は毎年円高になりやすいという過去の経験があり、今年もそれに近い動きになると思われます。
特に豪ドル円がすでに円高トレンド発生しており、他の為替の対円通貨も円高に向かいやすい。
理由は、世界各国中央銀行による金融緩和で自国の為替レートを安い方向に持っていきたいという政策が行われているためですね。
アメリカのトランプ大統領と中国の貿易摩擦やイギリスのEU離脱協議など世界経済が不透明な中で、各国が輸出に頼りたい経済構造になっており、通貨が安いほうが有利になるため。
一方で日本は、2012年以来金融緩和を続けており、その弊害も考えられる中、これ以上の緩和はできないだろうという見方が多く、他国と比較しても政策が打ちにくい。さらには消費増税もあり、円高になりやすい環境ですね。