オーストラリアの中央銀行による利下げは円高にふれると思う。

毎秒のように変化する為替相場ですが、FXトレーダーにとって為替がどのように変化するのか、これが儲けを左右しますので、チャートと常に睨めっこし、一喜一憂することになります。

為替相場は、基本的に国の経済、政策、貿易の統計、こうしたものが発表されるごとに値が大きく動きます。

アメリカの雇用統計や、FRBの政策、利上げや利下げ、こうしたもので変わってきますが、すでに市場がある程度その動きを予測して織り込んでいると、それほど大きな動きにはならないことがあります。

市場が全く予想しなかった大統領の他国への政策転換、貿易戦争、英国のEU離脱、債務の問題など他国が危機に陥ると、安定通貨が買われ、為替は円高になりやすいのがこれまでの流れですが、経済は生き物のようで、どのように動くか完全に予測することのできる人はいません。

オーストラリアの中央銀行による利下げによる円高リスク

AUD/JPYですが、引き続き円高に触れる可能性があると呼んでいます。

オーストラリアの中央銀行は、今年6月、7月と2か月連続で利下げし、政策金利を史上最低の1.00%へ引き下げました。

これを受けて、為替市場では豪ドルは対ドルではほぼ10年ぶり、対円では一時的な急落を除けばほぼ8年ぶりの安値を付けています。

オーストラリアは大陸国家で主要国とは距離が離れているため輸出拠点としては不向き、人件費・為替を含めた事業コストが高い、人口は2,500万人と内需も小さいため製造業の基盤がぜい弱です。

資源以外に競争力ある産業に乏しいのに高コストであるという産業基盤の弱さにもかかわらず、1992年から2018年まで27年間連続でプラス成長を続けてきたのは、中国への資源輸出拡大、移民の増加を受けた内需の拡大と住宅ブームにありました。

しかし、中国経済の減速を受けて資源輸出は落ち込み、住宅ブームは政府の価格抑制政策や中国マネーの減少もあり下落基調が顕著です。そのことが連続の利下げの背景ですが、0.5%程度の金利引き下げでは根本的な経済の弱さは改善できません。

元々バブル化していたとの見方もあった住宅価格の下落がさらに続けば、個人消費の落ち込み、金融機関の不良債権問題へとつながっていくリスクもあります。為替市場では豪ドルは高金利通貨の代名詞で、歴史的にも今の相場は安く見えます。

しかし割安さだけに着目するのは危険で、豪ドルには大幅下落のリスクがあると言えます。

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